栄光ある孤立

インディー大学生は語る

リバティーンズのギグを二日連続で観に行った

 

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カールと並んで嬉し恥ずかしなモリッシー



 

ヨーデルみたいな歌い方が生理的に無理。ただキモい。」

 

高校生の時にTSUTAYAで借りてきたMeat Is Murderの一曲目The Headmaster Ritualsを聴いた時の感想です。これが私のちょっと早すぎたThe Smiths初体験だったわけですが、とにかく最悪なものでした。こんなに気持ち悪いのにインディーキッズ達からは神様のように扱われていて更に意味がわからない。500日のサマーのせいだ。

 

 それから月日が経ち、ここにはかけないような事情(男)から2018年が始まってからほぼ毎日スミスを聴いていて、今は下北の古着屋で買ったMeat Is MurderのTシャツを着てこの記事を書いています。気が狂いそう。そんな私ですが、ロックと呼ばれるジャンルの音楽を聴き始め、早6年が経とうとしています。他の洋楽好きのみなさんに漏れず、中高生向け洋楽入門バンドと揶揄されがちなアメリカの某ポップパンクバンドから入り、パンクの祖であるセックスピストルズ、ザクラッシュと聴いているうちにポールマッカートニーの数年ぶりの来日が決定し、これを父が連れて行ってくれました。これを機にビートルズから当時 AMを出したばかりのアークティックモンキーズまでのロック史の体系をニコ動で学び、古本屋でロキノンを買い漁り、当時16歳のジャニオタ少女は見る見るうちにイギリスかぶれになったのでした。ひたすらテレビの話をする友達とは話が合わなくなりましたが、受験の直前に洋楽に興味を持ったことで英語の勉強に関してかなり役立ちました。洋楽と言ってもクサい歌詞の目立つラブソングしか歌わないただのポップミュージックではなく、反社会的なテーマを歌うパンクというのがミソで、歌詞を見ながら聴いていたら受験英語に必要な語彙が豊富になり受験の際に大いに役立ちました。ちょっと小っ恥ずかしいですが私の洋楽との出会いはこんな感じです。

 

過去の記事でも言及している通り、私は日本に来れないという曰く付きのバンド、ザ・リバティーンズが大好きすなのですが、運良くオーストラリア滞在中に彼らのギグを観てきました。しかも二日連続で。シドニーとお隣ニュージーランドで開催されたフェスに出演するためにオセアニアツアーが行われたわけですが、我が街メルボルンではなんと本ギグの前日にシークレットギグが行われることが当日発表され、大好きな日本人の友達が帰国してしまって傷心中の私には嬉しすぎるニュースでした。そのことを知ったオーストラリア人の友達も当日の朝メッセして教えてくれました。もちろんオーストラリアでもイギリスやアメリカのインディーロックは大人気なのですが私の周りのオージーやイギリス人はリバティーンズを知らず、「(筆者は)人が知らない音楽を聴いてる自分に陶酔して恍惚感に浸ってるただのヒップスターだ」とまで言われました。酷い言われようです。また私にスミスを聴かせるきっかけとなった人物もリバティーンズを知りませんでしたが、ピートドハーティーの名前を出したらあのヘロインガイのバンドか!とピンときているようでした(笑)以下、3ヶ月以上前のことなのでうろ覚えですが思い出せるだけ頑張って書いてみようと思います。

 

 
  

 

シークレットギグはメルボルンシティから少し北に位置するカールトンと呼ばれる郊外にある小さなパブの二階で行われました。開始3時間前に会場に着くとすでに長蛇の列が成されていて、そこをちょうど通り過ぎた日本人に「なんの行列ですか」と話しかけられました。薄すぎる顔面と独特な化粧からか普段韓国人に間違えられることが多いので日本人に声をかけられて嬉しかったです。その場にいたセキュリティには「入場制限があるから君達はもう入れないと思っていてくれ」などネガティブなことを言ってきました。このひとのせいで脱落者がチラホラ見られましたが私の周りにいた人たちは根気強くその後も待ち続けました。並んでいる途中に入場にはキャッシュ(5000円ちょいでした)が必要なことがわかると、クレジットカードしか持っていない人たちがコンビニまで走りATMでお金を下ろしに行ってましたが、同行者がいない私は後ろにいた優しそうな男性に許可を取り、彼の奥さん(モード系のおしゃれな中国人。在豪歴10年を超えるお姉さんでした。)と一緒にコンビニに行きました。マルチカルチャーを通り越してもはやカオスなメルボルンですが、こういうイベントは世界どこへ行っても非白人が皆無なのでここでアジア人に会うと嬉しくてついおしゃべりしたくなります。わたしが並びながらKindleで読書をしていたのを後ろから覗いていたお姉さんは私が日本人であることに気づいていたらしく、村上春樹ファンである彼女は私がなんの本を読んでいるか気になっていたそうです。(村上春樹じゃないです。ごめんなさい。)待つこと3時間半、なんとか入場できた喜びからこのお姉さんと抱き合い、高校の文化祭の軽音楽部の発表のような超小さいステージに大人数が押しかけ床が抜けそうなくらいの勢いでもはや乱闘という感じでした。まさに当時の伝説が語り継がれる下積み時代のギグのような雰囲気で最高でした。気になったのがピートが数日前のシドニーのフェスではサッカーのアルゼンチン代表のユニフォームだったのにこの小さな箱では正装をしていたことです。リバのギグといえばThe Horrorshowから始まるものだと思っていましたが、この日はサードアルバムのBarbariansの不吉なイントロから始まり、遅い時間帯にこの曲から始まることで必要以上に興奮してしまいました。

 

 

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電源が切れてライブの様子は取れませんでしたが観に行った証拠としてリストバンドと腕に押されたハンコを。。。

 

ホラーショーから始まった二日目の本ギグは日本から観に来たであろう日本人がたくさんいました。前から二列目をキープして正解でした。以前ツイッターで「日本人が海外フェスや単独ライブに行って前方で観てるのはみっともない!」というなんとも不思議な主張をしている人を見たことあるのですが、欧米人はデカいので体力が許す限り前方でみたいです。大好きなバンドならなおさらです。

 

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本ギグの会場となったForum Theatreは1月にFoster the Peopleを観た箱でもあります。

ピートとカールが帽子を交換したり、客から投げられた一輪のバラの花をカールにあげたりDeath on the Stairsの最後をジョンに歌わせたり(笑)、ピートから酒をぶっかけられたり(香港でもかけられてリュックがびしょ濡れになりましたが今回のやつは甘かった..ピートまた太っちゃうよ!)、前方で見るとステージで何が起こっているのかがハッキリと見えるのでオススメです。

 

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Can't Stand Me Nowと歌詞がマッチする映画『ウィズネイルと僕』がバックスクリーンに流れていました。他にも古いイギリス映画の映像が流れていてセンスが良かったです。

 

2015年に本格的に再結成をし、新アルバムを出した彼らはこの年にいろんなフェスに引っ張りだこで、わたしもイギリスと香港まで観に行ったのですが、これらのフェスでは新アルバムの曲はYou're My Waterloo(新曲ではないですが)やFame and Fotune、Anthem for Doomed YouthしかやらなかったのですがGunga DinやThe Milkman's Hourse、さらには三枚目で一番好きなHeart of the Matterを聴けたのが嬉しかったです。 Bucket ShopやBang Kokも演ってました。

 

 

レディングフェスから泊まっていたホステルに帰ってきて「日本からあなたたちを見るためだけにイングランドに来ました。素敵なショーをありがとう!」と今考えると下手くそな英語にフェスの様子を写真付きでカールにリプしたら翌朝ファボをしてくれたという素敵な後日談があるのですが、今回はそれ以上のことが起こりました。

 

シークレットギグの際は次の日も本ギグに行くので体力を温存すべく出待ちはしなかったのですが、本ギグを観た後は会場の外で彼らを待ってみました。ジョンとゲイリーはすぐに出てきたのですが、ピートとカールは1時間近く待っても出てこず。出待ち組をとっとと追い返したいセキュリティに「もう裏口から帰ったよ!」と言われるも、それを信じずひたすら待ち続ける出待ち組。いよいよ本格的に機材が片付けられ、関係者と思しき人たちも帰ってしまい、セキュリティの言葉に信ぴょう性が帯び始めたところで出待ち組の人数もかなり減り、帰ろうとしたところ会場の前を通り過ぎた時に出待ち組で顔を合わせていたアジア人女子二人に「カールならあそこにいるよ!」と声をかけられたのです!彼女たちはカールを先に見つけ、サインとセルフィーを済ませ帰る途中に私を見つけ、わざわざ教えてくれたのです。シェイシェイヤー。言われた場所まで走っていくとそこにはリラックスした様子で地べたに座り、ファンたちと語らうカールの姿が。やばい。何この光景。日本人のファンの女性もいました。あまりにもファンとの談笑が盛り上がっていたので英語が下手な外国人が声をかけてこのノリを崩していいものなのか戸惑いましたが、二度とない機会だと思い勇気を振り絞り「カール、写真撮ってくれる?」とお願いし彼の隣までいきました。「日本から来たの。あなたたちを観にイギリスにも香港にも行ったことがある。ほら、ピート日本来れないことで有名じゃん」と私が言うとcheekyな奴めと言わんばかりのニヤニヤした表情で肘でツンツンされ(笑)「日本か〜。ヤキニクドンドンがさぁ」と言われ、想定外のヤキニクドンドンというワードに爆笑してしまいました。なんのことかさっぱりわからずツイッターで呟いたら来日した時にいった焼肉屋のことだとフォロワーさんが教えてくれました。相当気に入ってるようでした。

「ごめん、さっきの写真すげぇブサイク( ugly)だったからもう一回とってくんない?」とお願いすると「angryだって!?w」と発音が下手な私をからかうではありませんか。「angryじゃないよ。uglyだよ」と訂正すると、「全然ブスじゃないよ」といいながらカメラをインカメモードにすると自分の顔をみて「I AM ugly(俺こそブサイクじゃん)」と言ってました。いや絶対思ってないだろ。ちなみにカールの英語は呂律が回ってない感じでこっちにいるホームレスとか道端で奇声あげてるタイプのヤバい人の喋り方に似ててかなり聞き取りずらかったです。でも超優しかったです。

 

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ディス・チャーミング・マンと。結局わたしは二回目もブッサイクでした。

こうして夢にまで見た二日連続リバティーンズギグは幕を閉じました。このあとメンバーたちは私が一番好きだった、60~00年代のロックやポップスを流すダンスフロアがあるロックバーでアフターパーティを行ったそうです。

 

以上、半年間のオーストラリア生活の中で一番幸せな瞬間でした。Cheers!!